場所の力。

人と対面で会うことが増えてきた。訪問することも出迎えることもある。
ほとんどの目的はいわゆる会議だ。最近では3-4人での会議が多い。
リモートでも機能的には困ることはないが、やはり対面での対話は感情が入る。
同じ空間を共にすることの不思議な力を感じざるを得ない。とても良い。

訪問して空間を共にすることの価値に意識が向くと、空間自体にも興味が湧く。
明るさ、色。まずはこのあたりの統一感が第一印象だ。空間のゆとりもかなり気になる。
テーブルの高さ、座り心地も大事な要素だ。しっくりくると会話が進む。
改めて、空間全体に気を配ることの大事さを考えさせてくれる。細部まで重要だ。

ただ、コンセプトにこだわった空間だけが心地いいのではない気がしている。
古くからある島型で配置されたデスクも、なかなか良いと感じることもある。
何かに向かって一丸となっている感覚が持てたりする。要は目的に合っているかどうかだ。
机の配置を簡単に動かせる空間もある。目的の切り替えを瞬時に行えるのが利点だ。

幸いにも我が社の京都神宮道オフィスにも来客が増えてきた。東京からも多い。
場所が京都であること、そして平安神宮の参道に面していること。なかなか神秘的な場所だ。
ビルではなく、木造の古民家。コンセプトと機能性を大事に少しずつリノベを繰り返してきた。
檜の香り、木の温もり。間接照明の数々。安らぎの時間を過ごしてもらうことを考えた。

もちろん、自らが仕事をする場としても活躍している。信号機などの環境音は意外と大きい。
でも、それすらがなんとも心地よいリズムを作ってくれる。見知らぬ人も覗いて、入ってくる。
どうやら興味津々の方がたくさんいるみたいだ。会議中などはヒヤヒヤするが、それも中々良い。
場所は人と人が出会うところ。これからも空間を大事に磨き上げて、楽しんでいこうと思う。