羅針盤

コンパス。方位を知るのに用いる器具。
そこから、比喩的に「進むべき道を示すもの」と意味合いは広がる。
羅針盤という言葉の雰囲気はとても良い。
多様な役割の人が一体となって、ありたい姿を追い求めていくシーンが目に浮かぶ。

船は、安全・快適に航海して人や積み荷を目的地に届けるのがありたい姿。
その実現に向けて、機関士、航海士、料理人、積み荷担当、船長などなど一致団結する。
同じ船に載った運命共同体という感覚があるのだろう。みんなが自律的に動く。
みんなの大事なもの、想いを運んでいるという使命も感じているに違いない。

組織に属して働いている時、「同じ船に乗る」という言葉を使う時がある。
会社の経営を、船の航海に喩えている。
コロナ禍。これまでの常識が通用しない海図のない旅が始まる。
企業は自らの目的地、ありたい姿を決めて、進まなければならない。

これまでは、機能別の役割分担で、それぞれ独立に効率を追求して来た。
同じ価値をベースに少し性能を上げる。価値はそのままでコストを下げる。
こうした活動は機能別の役割分担が巧く機能する。
でも、海図のない旅には、みんなの自律的な活動の拠り所となる羅針盤が必要だ。

パーパス、目的を起点とした経営という考え方がある。
パーパスとは、企業としてのありたい姿、社員全員が目指すべきところと存在意義。
そして、お客様や社会から愛される存在になった時の、愛される理由。
パーパス、羅針盤を持とう!

ソニーのパーパス。
「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」だ。
とても好きな羅針盤だ。
志のある企業をたくさん生み出していきたい。