利他の心が判断基準

名経営者のホームページに「正しい判断をする」というテーマのページがあった。
そこには、「利他の心を判断基準にする」とある。対比として出ているのは「利己の心」だ。
誰の心の中にも、「自分だけがよければいい」と考える「利己の心」はあると思う。
でも、同時に「自分を犠牲にしても他の人を助けよう」とする「利他の心」も必ずある。

判断をするときには、「利己の心」ではなく、「利他の心」を基準にするのが良いと説いている。
「利己の心」を使うと、周囲の協力は得にくい。得られるとしても損得勘定が成立する場合だけだ。
視野はどうしても狭くなり、その視野に入った「得」を全て自分のものにしたいと思ってしまう。
その結果、「得」の奪い合いという状況がどうしても生まれてしまうのだと思う。勝ち負けの世界だ。

一方、「利他の心」を基準に判断すると、状況は一変する。「人によかれ」という心が繋がりを生む。
周囲のどれだけ多くの人に、どれだけ深く貢献できるかを考えるので、視野は自ずと広がっていく。
そんな姿は、周囲の人をとんどん巻き込む。協力者がどんどん増える。「人によかれ」の輪ができる。
「利己」のように勝ち負けの世界ではなく、たくさんの人の笑顔を一緒に作る仲間が増えていくのだ。

名経営者は、「より良い仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなく、
まわりの人のことを考え、思いやりに満ちた「利他の心」に立って判断をすべき」と語る。
この感覚をぶれずに持ちたいと思っている。なかなか難しいが実践していきたいと思う。
ただ、これだけでも難しいのに、最近はこれをもう少し拡張して考えなければとも感じている。

人のみならず、社会は勿論、様々な生物や地球のことを考え、思いやりに満ちた「利他の心」がいる。
人と、様々な生物や地球の全てを考えるのが実質的には不可能な中、まだ境界線はうまく引けない。
でも、様々な生物や地球があっての人間だということは間違いない。思いやりがいるのは間違いない。
SDGsは人に留まらず、様々な生物や地球に優しくなるという取り組みだ。利他の心の実践の場だ。