好きなことをする。

久しぶりに赤ちゃんと過ごす機会があった。まだ1歳と少しの女の子だった。
なんと既に歩いていて、たくさんの言葉を理解しているように思う。
お腹が空けば指を指してあれが食べたいと。それは決して離乳食ではなく普通の食べ物だ。
小さなかけらにすれば、歯は前歯しかないというのに、お肉すらモグモグ食べる。

ソーセージ、チーズ、湯葉、ボテトサラダ。甘辛い味付けだろうとなんなくいく。
一通り食べ終わると、ふにふに言いながら寝る。しばらく経ってちょい寝が済むとムクっと起きる。
一番凄いと思ったのは、ボルダリングを始めた2人の兄を見て、泣き出した時だった。
指を遠くに向かってさし示し、うめきをあげる。なんと、自分も壁に登りたいということだった。

2人の兄はタイプが似ているようで違う。インドア派とアウトドア派に別れる。
手先がとても器用な方がインドア派。大胆に思ったことを形にするのがアウトドア派だ。
兄は6歳、弟は4歳くらいだろうか。どちらもアートの才能が溢れている。なんとも羨ましい。
少し目を離していると大人顔負けの作品を瞬く間に作り上げる。何回か作れば売れそうなレベルだ。

ルールに縛られずに生きてきたように感じた。もちろん、人さまに迷惑をかけないように生きる。
ランドセルなど重いものを持つ義務はない。みんなと同じもの、好きでないものを食べる義務はない。
少し前なら、それができないのはいけないことと考えられていたものだが、別にいいではないか。
多様性の時代に、これはこうすべしと一つに決められたことなど、守ること自体に意味がない。

軍隊式はもう終わりだ。それぞれの能力をリスペクトし合い、迷惑の領域を狭めることが大事だ。
なんとなく常識に合っていない。ではなく、少しだけ第三者になってその人のやりたい理由をみる。
こんなことを考える余裕を持ちたい。それが分かると、迷惑ではなく、温かく見守る対象になる。
ギスギスするのではなく、へー面白いだ。もっと自分と異なる感性を楽しむ生き方をしたいと思った。