自然と体が動く。

世の中には、モノが溢れている。人気が出たり、必要とされたりすると顕著だ。
どこでも同じようなものが置かれ、だれでも同じようなものを持ち始める。
オリジナルの商品から、廉価版の類似品まで、モノは瞬く間に増殖する。
確かに便利で役立つものかもしれないが、どこかで寂しいと感じる自分がいる。

モノを作る側は、作っても売れないと困る。だから、低価格で同等性能に向きがちだ。
新たな提案は、受け入れられるか、見向きもされないか、やってみないと分からない。
手っ取り早く類似品を作って、タイミング良く売る方が、成功する確率が高いと言うわけだ。
世の中では、多様性が謳われているのに、なぜか大きな流行りが次々に起こっている。

モノを買う側は、安心して買えることを大事にする。はずれがないことをSNSで確かめる。
いわゆるレビューだ。この行動も、大きな流行りづくりを後押しする要因の1つになっている。
大事なお金をせっかく使うのだから、間違いのない買い物をしたい。そんな心持ちだ。
でも多様性は生まれている。買った後にアレンジをして、自分流を楽しむ人が結構いる。

画一的になってきた中で、さすがにこのままではいけないと、消費者が立ち上がったのだ。
街中で、アレンジを見かけると、興味をそそられる。目が釘付けになるものまである。
センスが良く、ユーモアがあると心が癒される。創意工夫で何倍にも価値が上がっている。
思わず近寄って、触れてみたくなる。使ってみたくなる。作ったひとに会いたくなる。

除菌スプレー。街中に氾濫しているが、ある場所で目が釘付けになった。思わず近寄る。
手を使わず、足でプッシュできる仕掛けだ。足でしかプッシュできないようになっている。
上部におじさんがいる。優しくプッシュしたくなる。どう動くかが興味津々だ。
おじさんの手が動いてプッシュだ。なんともユーモアがある。これだけで話題になると思う。