壁はない⁈

自然の中で色々な発見がある。土の上のコンクリートを割って芽を出す植物。
自分の体長とは比べ物にならない長さでくねくねと掘り続けたアリの巣。
水が何年にも渡って滴り続け、硬い地面に開けた穴。途轍もない継続の力を感じる。
その時、その一瞬を考えると、成し遂げられないことも、できる気がしてくる。

植物やアリや水が成し遂げたことは努力の結晶なのだろうか。あ、少なくとも水は違う。
無理をしているようには感じない。植物は上に上に進みながら隙間を探している。
アリは毎日毎日、穴を掘り、餌を巣の奥まで運んでいる。数も増えるので巣は大きくなる。
水は、通り道を見つけると、そこをひたすら通り続ける。日常もしくは継続がポイントだ。

すごく単純な小さな行動を毎日積み重ねて、大きな変化を生み出しているのだ。
決して、巣を1kmにしようとか、この地面に穴を開けようとはしていないと思う。
本能的なことや自然の摂理に適うことを続けた結果、大きな変化や成果が生まれている。
とても大らかに、力を入れずに、いつの間にか、何事もなかったように、進んでいく。

一方、人間の世界では、なんとなく小難しくなる。タスクが作られ、毎日与えられる。
それらがちゃんと進んでいるかどうか、一つずつチェックされていく。受け身になる。
タスクを淡々とこなすことだけに目がいき、どこかロボットのような気持ちになる。
本能的なものや自然の摂理などは、いつの間にか頭の片隅に追いやられているように思う。

まずは成し遂げたいことを頭に描く。自分や社会にとって本能的で本質的なものから選ぶ。
そうすれば、周囲の人の中にも必ず共感してくれる人がいる。そして、毎日一歩、踏み出す。
立ちはだかる壁などはなく、自分の一歩が、周囲の人の一歩が積み上がってくる。
成し遂げたいことが同じだから、重なり、大きなうねりになる。いつの間にかできると思う。