油絵を描く人を観察するととても面白い。最初は何を書いているのか分からない。
でも、しばらくすると、大体こんなシーンかな、と分かり始める。輪郭が見えるからだ。
いわゆる構図というのだろうか。街並みなのか、特定のものに焦点を当てたものか。
とても解像度は低いが、アーティストが切り出そうとしてる意図が見えてくるのだ。
この段階でその絵に引き込まれて、ワクワクすることがある。面白い視点と感じる。
そして、この構図がどんなアートに進化していくのかを勝手に妄想し始める。
上に重ねられる絵の具が醸し出す変化に一喜一憂しながら眺めているととても楽しい。
下地の色は予想を反する。そんな色の物体はないだろうなのだが、上に塗る色が映えるのだ。
構図、色の重ね方、細部の作り込み。油絵の描き方には明らかに意図があるのがわかり始める。
タイムプラスなどで描くところを全てみたら、色々なところに新たなきづきを見つけそうだ。
油絵を描く姿を見るまでは、油絵とビジネスに類似点などないと当たり前のように考えていた。
でも、ビジネスでも新規ビジネスであれば、類似点だらけで、同じものにすら見えてくる。
油絵の構図は、新規ビジネスの本質的価値の紡ぎ方に相当する。心を惹きつけるポイントだ。
どんな人に、どんな価値を、どんな手段の組み合わせで、提供していくのかの概念だ。
色の重ね方は、下地として何を仕込んで、その下地の上にどう価値を積み上げいくかだ。
思いもよらない順序、組み合わせで展開することが、人に感動を与えることにつながる。
細部の作り込みは、顧客接点を入念に研ぎ澄ますことと同じだ。細部に宿るを徹底する。
大きな概念をより際立たせる細部はとても大事で、それにより価値を何倍もに高められるのだ。
シンプルさも忘れてはいけない。ごちゃごちゃとした油絵からはメッセージは飛び込んで来ない。
アートの余白と同じかは分からないが、受け手の受け取り方の余地、これも大事なのだと思う。