中小企業のDX

日本には多くの中小企業がある。というか数では中小企業がほとんどだ。デジタル化はまだまだだ。
悲観論が多いが、大きな可能性を秘めていると感じている。唯一無二の技術が眠っているからだ。
超ではなく、極精密の世界を突き詰めている会社、小回りとスピードで圧倒する会社など色々ある。
そして、それらの多くの会社は、残念ながら「知る人ぞ知る」という状況になってしまっている。

デジタル化やIoT化のツール自体は、既に開発済みで、余程特殊なものでない限り誰でも使える。
もちろん、安いものから高いものまで色々あるので、現実的には全てを使えるわけではない。
また、中小企業にはツールの仕様やその有効性を見極められる人が少ないことも大きな問題だ。
でも、現場の大きな課題を捉えて、そこのデジタル化に集中すれば、意外とうまく進められると思う。

現場で働いている方がもったいないと思っていること、無駄な動きなどは探せばいくらでも出てくる。
その中から、解決するとインパクトが大きい、例えば捻出できる時間が多いものを選べばいい。
沢山捨てている材料や、長く滞留している半製品、長く在庫となっている製品などを選べばいい。
選んだ中から、安価なIoTツールで解決できるものをまずやってみる。人の時間やコストが捻出できる。

DXは、もちろんデジタルトランスフォーメーションだ。コスト削減や効率化に留まる活動ではない。
新たな価値を生む会社へ生まれ変わることだ。そこには人の知恵がいる。新しい価値の構想がいる。
実はDXにおいて一番難易度が高いのは、デジタルツールを導入することではない。この構想づくりだ。
今までと違う新しい価値を生み出すのだから当然だ。きっかけや構想の種が必ず必要になる。

いま生み出している価値とは違うものに触れて刺激を受けることが何より大事になるのだ。
そうだ、デジタルツールは省人化のために使おう。時間ができればその時間を構想に使える。
その際、社内で悶々としていても意味がない。異なる技術や異なる業種の人と触れることが大事だ。
勿論、すぐに構想は生まれない。ある時化学反応は突然やってくる。さあ構想づくりを楽しもう。