気持ちを宿す贈り物

ふと気付いた。最近、贈り物が少なくなっている気がする。対面で人と会うことが減ったからだ。
例えば、夜、お世話になっている方とご飯を食べにいく。その方の夜の時間を占有することになる。
自宅に持ち帰ってみんなで食べてもらえるお菓子があれば、場が明るくなる気がする。
そんな風に思って、今話題のお菓子をリサーチして(もらい)、準備して持っていく事が多かった。

配置転換や昇進の季節には、新たな出発を祝して記念の品をお贈りするようにしていた。
なるべく年号が入ったもの、普段使いもできる筆記具、記憶に残るものなどを選んでいた。
百貨店や専門店に行って、その方の顔を思い浮かべながら選ぶのが楽しかった。非日常の時間だった。
新たな商品が発売されるとお店からカタログが送られてきた。それを見るだけで色々想像できた。

お菓子の場合は、渡した人のことよりも、その周りの家族や仕事仲間のことを考えて選んでいた。
一方、記念の品は、渡す本人のファッションや好みのことを想像して、結構悩んで決めていた。
いずれにせよ、贈り物で誰かが喜んでくれたり、誰かの毎日の活力が湧いてくれたりを願っていた。
やっぱりそうした気持ちを現すことが、社会の豊かになるためにとても重要なことだと感じる。

心遣いのうまい人もいる。まだまだ真似はできないが、飲み物や小さなお菓子をそっと出す。
冷たい飲み物と温かい飲み物。砂糖やミルク。このあたりの好みを覚えてくれている。
その人はなぜか常に謝っている。全く悪くないのにすっと謝る。場がどんどん明るくなる。
その慮りを体感すると気持ちが温かくなる。その人のためにやりたくなる。そんな気持ちが生まれる。

場を共にすることはとても大事だ。互いのことを慮って動ける密度がリモートとは全く異なる。
リモートだと、贈り物は渡せない。ほんの少しの心遣いもし難い。宅配便では少し味気ない。
気持ちを宿せるもの。どうしても対面が減る中で、これを発明しなければいけないと思う。
小さな気持ちや心遣いを宿せると良い。贈り物や握手やハグ。これらに並ぶものを考えてみたい。