におひ袋

日々の生活にひとときの安らぎを感じさせてくれるのが「におひ」だ。
ふわーっとその場の雰囲気を変える力がある。なかなかの力だ。
いま、オフィスにはその匂い袋がある。扉を開けた瞬間に匂いが届く。
これまでの檜の香りとは別の空間になるから本当にすごいと思う。

におひ袋を手に取ってみると、五重塔の絵と共に、令和大修理とある。
これは令和の大修理を人々に周知する役目と、いくばくかのお金を集める役目があるのだ。
思わず協力したくなる。あれだけの古い貴重な建物だ。維持管理はとても大変だろう。
におひ袋がどれだけ売れても足りることはないだろうが、気持ちが繋がる気がする。

袋の裏側をみると、中金堂の余材を刻み、それに白檀、龍脳等多数の天然香料を配合とある。
とても貴重な一品だ。一袋に入っている余材はとても僅かだと思うが、思いを馳せられる。
使い途で最初に書いてあるのは「お手紙に添える」だ。これは忘れていた事を思い出させてくれる。
におひ袋という小さなものが世の中に広まっていく。ゆとりや安らぎが広まると思う。

こんど奈良に行ったときにはこのお寺に必ず出向いて、自分で購入したいと思う。
もちろん、しっかりとお参りもして、伝統文化への敬意と共にお賽銭を捧げたいと思う。
でも賽銭を調べてみると、願いが成就したときに捧げる金品とある。趣旨が違うようだ。
それどころか願い事をするときに、成就しますようにと捧げていたような気もする。

ここまで紆余曲折ありながらも、仲間に囲まれて楽しくやってこれたので感謝は尽きない。
でも、なぜか将来のことばかり気にしている。うーむ。なかなか現金なものだ。
におひ袋。匂いに導かれ、安らぎ、伝統文化に思いを馳せる。そして賽銭の学びを得た。
常にこれまでのことへの感謝を忘れずに、新たな未来を切り開く毎日を過ごしていきたい。