変態のススメ

面白い、尖っている、やばい、意味不明、宇宙人などなど。
変態と言われる人は、こうした形容詞で語られることが多い気がする。異能といっても良い。
発信が多く、常に何かを企んでいる感じがある。そして何をしているかは分かり難いが楽しそうだ。
以前に比べて今は、変態が生きやすい世の中になってきたように思う。

身から出た錆、出る杭は打たれる。昔は風習や慣習、伝統から外れるとこんな反応があった。
特に、職人の世界では「伝承とは変えないこと」という掟のようなものがあったようだ。
でも、変態は確かにいた。更なる発展のために、伝統に敬意を払いつつ、新しい血を加える挑戦に励んだ。
意思の力は、並大抵ではない。同業からのプレッシャーは計り知れないものがあったのだと思う。

イチロー先生が「出る杭は打たれるなら、打たれないように突き抜けろ」と励ます。
もっと出たらいい、そうすれば、「こいつはもう手に負えない」となる。
野球のセオリーを色々塗り替えてきたイチロー選手。如何に塁に出るか、ホームに帰ってくるか。
お作法ではなく、こうした野球の本質を自分なりに突き詰めていった結果が世界一の選手だ。

変態が生きやすくなったのは、SNSとも関係があると思う。以前はコミュニティが同業に閉じていた。
今は、不特定多数の人に伝えるすべがある。異業種の人が簡単に変態のメッセージを受け取れる。
この人は違う。フォローすると面白い。自分に勇気が湧いてくる。それが変態自身のもっと頑張ろうにもなる。
変態の連鎖が生まれてくる。変態の世界は狭い。共通の仲間が見つかる不思議なコミュニティに参加できる。

多様性が大事。この10年言われてきた。真の多様性は、変態の集まり、コミュニティだ。
互いの業界の掟や常識が分からないもの同士の交わりから始まるのが多様性だ。
5年、10年ある業界にいたとしよう。そうするとその業界のお作法はかなり身についている。
であれば、変態予備軍だ。自らの業界の常識に疑問を感じる業界の人と付き合えばいい。みんなで始めよう。