人が物事を認知する場合、常にこれまで認知したものとの比較を行うと思う。
これはあれに似ている。あ、これはあれとあれの中間だ。これは昔あった。
海外などにいくと、こんなものは全く見たことがない。そんな状況にも遭遇する。
印象に残るの順番は、やはりこれまでとの違いの程度で決まっていると思う。
マイナーチェンジは、不具合解消、機能向上、デザイン見直しなどが主体だ。
冒険がないだけに、失敗もしないが、大きな成功もない。需要の維持に効くくらいだ。
フルモデルチェンジ。これは抜本的な性能やデザインの見直しを意味する。
製品自体の大枠は変わらないが、明らかな進化で消費者の買い替えを喚起していく。
以前は、マイナーチェンジやフルモデルチェンジを楽しみにしていたような気がする。
今は一部のブランド商品を除いては、新作を心待ちにすることなどあまりなくなったと思う。
もう新作といっても驚きは大きくなく、寿命が来てたまたま新作に買い替えるくらいの状況だ。
大枠の変わらない製品単体でいくら頑張っても、新たな需要を喚起することは困難と感じている。
では驚きはどうやって生み出せばよいのだろうか。やはり単一の製品を超えるスケールが必要だ。
もっといえば、空間のデザインが必要な気がする。もちろんそこには沢山の製品やサービスがある。
大事なことは、それらが統一感やメッセージをもってコーディネートされているかどうかだ。
言葉ではなかなか表せない雰囲気、五感で感じる体験が驚きの源なのだと考えている。
空間を切り取ったもの。大きな構想にはこれが必ずあると思う。こんな空間を作り出すと。
でも、大きな構想はそう簡単に作れない。経験と強い意志が必要だと思う。鍛錬もいる。
だから、大きな構想にはなんとか参加して貢献する。同時に自らで小さな構想作りにも挑戦する。
この両輪があると、いずれは大きな構想使いになることができる。仲間を集めることもできると思う。