理解度・成熟度を測る

新たな構想を進める際、その構想への理解度は、組織により大きくバラつく。
取り組みへの理解度が低い、未成熟な組織は、例示に引っ張られることが多い。
新たな取り組みの理解を促進するために、具体例を使うからだ。確かに分かりやすい。
でも、その具体例の真似だけを続けても、それぞれが単発の取り組みになってしまう。

一方、構想への理解が深い組織は、構想を実現した際に生まれる姿をイメージする。
妄想が膨らみ、色々な取り組みをやってみたくなる。もちろん例示の取り組みも含まれる。
でも、すべてに取り組むことはできないので、取り組みの優先順位が必要になる。
構想実現へのインパクトや実現の難易度で、相対比較しながら、取り組む順序を決めていく。

せっかく新たな構想の実現に取り組むなら、やはり構想を深く理解した状態が望ましい。
しっかりと構想実現のイメージを持って、取り組みを洗い出し、取捨選択をして進めたい。
例示にあるものをとりあえず進めながら、構想への一歩を踏み出すというやり方もある。
でも、このやり方では構想への一歩で留まると感じている。構想に一歩一歩近づくことはない。

やはり、最初にボタンを掛け違わないことが重要だ。構想の深い理解にこだわることだ。
構想実現に挑戦する意気込みを、組織の構成員全員が持つことが重要だ。常に構想を意識する。
そうすると、メンバーは構想実現に向けて創意工夫を始める。例示をやるにも細部にこだわる。
真似るではなく、真似られる事例が生まれ始めるのだ。こうなってくると楽しくなる。

組織における構想への理解度、成熟度。しっかりとモニタリングしながら進めていきたい。
構想実現に不可欠な要素を抜け漏れなく洗い出す。それらの要素のつながりを描く。文章と図にする。
立体感のある構想の表現を、メンバーに提示して、それに対する自分の考えを発信してもらう。
こんなことを常に繰り返すことで、構想にまっすぐ一丸となって迷わず進む組織になると思う。