幼い頃は、通学の際、寄り道をしていた。まっすぐ帰らずに道草を喰う。
小学校は寄り道の場所は駅だった。駅には植栽が生い茂り小さな森があった。
隠れんぼ、宝探しなどをやったような記憶がある。とにかく時間が早く流れた。
悪いことをしている感じもあり、なぜか楽しくドキドキの時間を過ごしていた。
夕食の時間でみんなが帰り始めた頃、ようやく電車に乗って帰宅の途についた。
区立の小学校だったが遠くから通っていた。電車で30分、19時を過ぎることもあった。
散々遊んだこともあり、家に着くとバタンキュー。ご飯を食べずに寝ることもあった。
誰もが寄り道を楽しんでいた時代のように感じる。大人になるにつれて薄れてきた。
寄り道をすると遅くなる。少しずつそんな感覚が強くなってきたのだろうか。
寄り道はすると効率が悪くなると考えてしまう。幼い頃の冒険とは違う感覚だ。
やる作業が決まっていて、それをとにかくやり続ける。それが正しいのだろうか。
寄り道の中でワクワク、ドキドキを感じて、新たな発見をするのが楽しいはずだ。
自分の中に、作業を効率的に進める時間もあって良いと思う。それはそれで大事だ。
でも、それ以外の時間を、色々な時間を持つこともとても大事だと感じている。
その一つが寄り道だ。明らかに効率化ではない世界を堪能すれば良いのだ。
作業とは異なる何かに触れて、刺激を受ける。普段とは違う時の流れを楽しむ。
1ヶ月同じことを続けてみるのもいい。毎日違うことを決めてやってみてもいい。
どんな形でも日々の作業とは違う世界に触れることになる。新たな出会いもあると思う。
寄り道を自分の世界観を広げるための道具にすればいい。まずは家路につくまでの寄り道だ。
上級者になったら朝の寄り道を足す。いわゆる寄り道をルーティンにすればいいと思う。