ありもの。

競争という概念はずっと昔からあったと思う。同じゴールを目指す戦いだ。
シェアという概念が分かり易い。対象とする市場のどのくらい掴むかだ。
携帯でも、車でも、食べ物でもなんでもいい。占有率を競うというものだ。
もちろん、これも大事な概念だ。でも全く同じもので競うのはあまり好きではない。

特に、後から参入して、安売りでシェアを獲得する方法は正直面白くない。
消費者の立場からすると、そういった競争があるから良品廉価が生まれる。
こんな意見もあると思うし、確かにそうだろう。でもこればかりではやはりつまらない。
自分がやるのなら、別の選択肢がある状態を作ることの方を頑張ってみたいと思う。

そういった意味でありものという概念が好きだ。ありものは活用するものだ。
ありものを、ゼロから自分で作り直すことはしたくない。それを土台にする方がいい。
そこに何を乗せるか、何を引くか、何と組み合わせるか。この辺りの知恵を絞りたい。
何よりありものを活用すると、新たな価値を作るコストもスピードも向上するからだ。

それだけではない。ありものをリスペクトして使うと一緒に進む仲間が増える。
これを組み合わせたら付加価値が上がる。それを一緒に売らないかといった感じだ。
ありものを使うことでスピードが上がるだけではない。販路も活用できるのだ。
競合を打ち負かしたいという概念とは真逆だが、なかなか気持ちがいいものだと思う。

イノベーションはありものの組み合わせでできる。そんな考え方も古くから言われている。
私もそう思う。自分の分野や経験と離れたことに触れ、組み合わせる。かなり新しくなる。
多様な仲間がチームに加わり、明らかに魅力的になるはずだ。競合との争いより楽しい。
ありものはリスペクトして活用する。そんな世界をもっと広めていきたいと思う。