貫く。

革新的なものづくりを進める素晴らしい経営者に久しぶりにお会いした。
第一印象は、ヤンチャな感じはもちろん健在だったが、深みを感じたこと。
伺い知ることはできなかったが、かなりの修羅場を潜り抜けたのだと思う。
背中に戦い抜いてきた過程で得てきたものがしっかりと装備されている感じだ。

もう一つ感じたのは、従業員の力強さだ。人づくりの実践が身を結んでいる。
だれもが経営者を目指しているようだ。目が輝き自身に満ちている。
語られる言葉も、誰からか借りてきた言葉ではなく、自分の言葉だ。
技術で社長を超えたい、経営でも社長を超えたいと考えているように思える。

こうした状態を作り上げた鍵は、やはり一気通貫を貫いてきたからだと思う。
世の中に製品を生み出すには、最初から製品が活躍している姿を描くこと。
その活躍している姿をどのくらい生みたいのか、どのくらい早く実現するのかを考える。
これを達成するには構想や設計の段階から見通して置くことが大事だということ。

設計や施策の段階から量産や利用シーンを折り込む。当たり前だが貫くのは難しい。
視野が広いのだ。同時に考えるべきこともそうだが、時間軸の視野も広い。
さらに、ひとサイクル回すスピードを圧倒的に高めることで失敗を許容する。
視野を広げると読み違いも起こる。それを短期間に修正する技をもっているのだ。

10回の経験と100回の経験ではどのくらい自信の大きさは異なるだろうか。
自分の意思でトライして失敗した経験があると、どんどん手触りが生まれる。
自分の想定通りに持っていく自信、仮に失敗しても間に合わせられる自信。
そういえば、7年くらい前からずっと同じだ。本質を貫く大事さを改めて教えてくれた。