未来を切り開く。

ある街にきている。過疎というわけではないが、賑わっているというわけではない。
徐々に住民の高齢化が進み、人口も少しずつ減少している。平均的な街とも言える。
ただ、この先を見通すと、何も起こらないまま、縮小していく姿しか見えない。
子の世代、数十年先の未来は、この街は存在しているのだろうか。そう思えてくる。

そんな街に突然のチャンスが舞い込んできた。世界的に著名な方が何故か手伝ってくれる。
街の自然や風景の魅力、そしてその街に新たにやってきた起業家の熱意に惹かれたのだろうか。
常識では考えられないことが起きている。すでに提案もしてくれた。もの凄い提案だ。
見ただけで吸い込まれるような感覚、賑わいの未来を思わず想像してしまった。

確実に人を集めるだろう。そこに滞在することが当たり前になると感じる居心地の良い空間だ。
陸から見た風景、海から見た風景のどちらもとても素敵だ。2つの方向で動く人並みが交わる。
もちろん、住民や働く人の持つ課題解消にも挑戦する。観光客も含めて三方よしを実現する。
この街の活性度はどのくらい上がるだろうか。いったい何十万人来訪するのかワクワクする。

でも何故かみんながワクワクしていない。突然すぎるからだろうか。実感が湧かないからだろうか。
この提案だと、ここに問題がある。現行の法規に照らすと、このあたりが難しそうだ。
こんな意見が出ている。法律の素人の私にとっては、問題なく乗り越えられると思えることだ。
でも、これまで事例がないものに対しては、どうしても保守的になるようだ。とても悔しい。

ここを乗り越えても、誰がお金をだすのだ。維持管理そして運営はだれが責任をもつのだ。
こんな話が出てくる。鶏と卵だが、何十万人も人が集まったらどうなるだろうか。
経済が回り始める。たくさんの人が商売に来る。そこで得た利益をそこに再投資を始める。
今の延長線上ではない、成長した姿を前提に、それをやりきろうという機運。これが不可欠だと思う。