魅力と吸引力。

例えばインバウンドなど、遠くに住んでいる人にたくさん来訪して欲しい。
近場の都市から年に何回か来訪して欲しい。いわゆるリピート訪問。
同じ街に住んでいる人が何度も日常の習慣として通って欲しい。
来訪者は様々で、どの来訪者を増やしたいかで打ち手は大きく変わるような気がする。

インバウンドの場合はどうだろうか。遠くから来るのでそれだけの魅力がいる。
そこにしかない一つの施設があればもちろん来訪の対象になる。
でも、周囲にそれ以外の見どころがなければ、実際の来訪確率は大きく下がる。
逆に、施設と周囲が一丸となって、一つのメッセージを紡いでいたら一気に確率は上がる。

距離が遠いと、大きな魅力に仕立てて、滞在したくなる状況にする必要があるのだ。
一方、施設の常連。これは住民だ。理想はいつでも利用ができる家の延長のような施設だ。
図書館やカルチャースクールのような施設を思い浮かべて欲しい。開かれた施設だ。
住民にとっては、その施設が魅力であれば、周辺の魅力の高さは大きく影響しないだろう。

距離が近い場合は、魅力の単位は施設1つで成り立つのだ。遠い場合の地域一丸とは異なる。
もちろんこれは一般論であり、例外がないわけではないと思うが、傾向はある。
施設の魅力が伝わっていない、まだ発展途上である場合は、地域の魅力に肩を貸してもらう。
施設に来訪してもらえば価値が伝わる場合や施設の魅力だけでは吸引しきれない場合に有効だ。

まあ、結局のところ、施設の魅力だけでは持続性はないのかもしれない。
常連の施設の周りが非常に魅力的だったら、少し遠くからも常連が作れそうだ。
間違いない。施設の魅力があればいいのではない。地域の魅力が大きな吸引力を持つのだ。
地域の特徴を施設の特徴と重ね、向きを揃える。こんなことができると街の賑わいが大きくなる。