伝える道具。

例えば、ある施設で来場者に何かを伝えたいとしよう。どんな道具が使えるだろうか。
看板、チラシ、伝えたいものごとのキャプション、動画、写真、XRなど様々だ。
来場者に伝えたい内容をそうした道具を通じてしっかりと届けることが大事だ。
ただ、来訪者といっても、基礎知識の量、興味の対象など人によって大きく異なる。

よって、使える道具立てを上手く組み合わせて様々なニーズをカバーしていくのが良い。
道具毎に持つ特徴で最も大きな違いは、まず一度に伝えることのできる情報量だろう。
動画は映像と音、字幕も使える。情報量が多く、かなり細かいところまで伝えることができる。
一方、看板が伝えられる情報量は少なく、内容は施設全体についてなど「まとめ」が多い。

最近では来訪者自体がスマホを持っている。QRコードなどを使えばそれ自体が道具になる。
リンクからネットに飛べば、的確な階層構造を持つことで、情報量をある意味無限にできる。
しかも、どのQRコードを見にいくか、その先の情報で何をクリックするかはその人次第だ。
故に、人それぞれの好みに応じたカスタマイズを実現することができるというわけだ。

ARも使い方次第では面白い。現実に見えているものに、好きな情報や遊びを付加できる。
例えば、カメラを向けたところにあるものの値段が表示される。全員向けでない情報を出せる。
また、カメラに映ったものを使っている動画を見せたり、それ自体を動き出させたりもできる。
ここにも来場者が見るか見ないかの選択をできる仕掛けが組み込める。上手く使いたい。

チラシもうまく使うと大きな効果を発揮できる。バラバラだと後でどうしても邪魔になる。
なので、集めたチラシを一冊の本にできる仕掛けにすれば、人それぞれのオリジナル本になる。
一方、すべての人に伝えたいことは、伝えたい場所で、見やすいところに掲示すれば良い。
それ以外は、ニーズによって選択できる。そんな仕掛けを作れば全員の満足度を高められると思う。