広がる視野。

年を重ねるにつれて、人は少しずつ変わっていく。一番の変化はおおらかさだと思う。
若いうちは熱量のままに、自分の信じる道を突き進もうとしていた。
その道がいびつな道であろうと、十分に気づかず、前に進むことだけを考えていた。
時には、大きな失敗につながることもあったが、それを見守っていた方がいたと思う。

その方は、おそらく、そのくらいなら大ごとにはならない。大失態には至らないと予測していた。
流石にこのままだとまずいと感じた時は、直接的に、間接的に軌道修正をかけてくれた。
そんな方がいたのだと思う。最初はそんな方の存在など気づくことはない。
でも、次第にそういう方の存在が見えるようになり、有り難さを感じるようになる。

世の中で、失敗から学ぶことが多いと言われているが、巧みに失敗を経験させてくれていた。
大いなる反省はしつつも、潰れない程度に失敗を重ねていく。あとからみればそんな感じだ。
チームを持つようになると、守るべき相手が生まれる。少し気負ってしまう自分がいた。
とはいえ、最初の頃は巧みな失敗など作れない。できても火がついてからすぐに消すくらいだ。

ここで、胆力と判断力が試される。あたふたしない。そして、ここぞを見極める。
周りを冷静に見て、流れを読む。人によって捉え方が多様であることを学んでいく。
このあたりまで来ると、押さえるべき本質さえ持っておけば、修正が効くことに気づく。
多くの人々が大事だと考えることを「のりと」にして、物事を進めていけばいい。

これからの変化はおそらく、主語が自分から仲間に変わっていくことだと思う。
自分が成し遂げたいのではなく、社会に新たな価値を生み出したいという気持ちが強くなる。
新鮮な構想に共感し、その実現に役に立ちたいと思う。周囲を見て越えるべき壁を洗い出し始める。
視野が広がり、間接的に色々なきづきを生み出そうとする。並行してどんどん進めていこうと思う。