さしすせそ

ネットで調味料の「さしすせそ」検索していたら営業の「さしすせそ」を見つけてしまった。
トークを円滑に進めるために使うという。要は褒めたり、相槌をうったりするのに支える。
因みに、さは「さすがですね」、しは「知らなかったです」、すは「すごいです」だ。
せは「センスがありますね」、そは「そうなんですね」だという。結構使っているかもしれない。

本題にもどると、調べたかったのは調味料の「さしすせそ」だ。砂糖、塩、酢、醤油、味噌。
昔は醤油を「せうゆ」といったらしい。「そ」は少しずるい。頭文字ではなく、二文字目だ。
ただ、今更ながらに驚いたのは「さしすせそ」が味つけする順番のゴロ合わせということだ。
そして、順番はそれぞれの調味料の持つ特徴を踏まえてのものだ。物事には理由がちゃんとあるのだ。

さて、なぜ「さしすせそ」を調べたかというと、週末に徳島で「さしすせそ」の旅をしてきたからだ。
徳島県には「さしすせそ」すべてに歴史があった。まずは砂糖。大名への献上品にもなっていた。
200年前からある在来品種「竹糖」を使い、昔ながらの製法で作られた和三盆は格別だという。
塩の歴史も凄い。鳴門の塩づくりの始まりは今から約400年前の慶長4年ということだ。

酢は徳島では酢橘だ。徳島県原産の果物で、日本の生産量のほぼ100%が徳島県産だ。
醤油は文政9年(1826年)に創業した会社が自然熟成にこだわって作りづづけている。
味噌は創業以来140年、国産原料と手造り糀を使い、木樽で天然醸造させた生味噌を作っている。
醤油と味噌はお店に入ると、味見をさせてくれた。話を伺い、いくつか購入して店を出た。

「さしすせそ」はそれぞれ味にバリエーションがたくさんあった。組み合わせもやってみたくなる。
道すがら立ち寄った大谷焼きは最高の「さしすせそ」と特産品を使った料理を盛り付けたくなる。
これだけ色々なものが見えてくると、自分でも試したくなる。調味料も、料理も作りたくもなる。
「さしすせそ」を回るにつれて、徳島の土地がこれまでとは別の景色に見えてきたのだ。面白い。