「アバターを操る」をコンセプトにした事業を進めているスタートアップと会った。
離れたところにいるアバターを操作して、あたかも自分がそこにいるかのような体験ができる。
アバターは、ロボットではなく、スマホを持った人間だ。音声の指示通りに人が動いてくれる。
ゆくゆくはロボットに変えたいと考えているようだが、まずは人を活かす取り組みで始めた。
体験すると、かなり画像が綺麗だ。近寄れば細かい字まで読み取ることができる。
アバターへの指示は、意のままにというわけにはいかないが、それなりにスムーズだ。
「程度」のある細かい指示は解釈や調整に時間が掛かるので、やり直しを含めて時間が掛かる。
とはいえ、意思疎通次第では、かなり臨場感を持って遠隔の地を深く体験することができる。
技術の売りは、スマホという普及品を使って、高解像度の画像を遅延なく送れることだ。
QRコードを使えば決済も簡単に行える。試着などの自分の体を使ったもの以外なら大抵できる。
現在は遠隔地で開催される展示会での活用や遠くのお店での遠隔買い物体験の事業化を進めている。
誰にどんな価値を幾らで届けるか次第では、面白いビジネスになりそうな気がする。
ビジネスリソースは、人、スマホ、ネット回線がメインだ。あとは利用者とのマッチングがいる。
経済合理性の生み出し方はいくつかあると思う。まずは利用者側のニーズの密度を作ること。
特定のプロフィールを持つ既存の集団に、欲しいメニューを作り、分かりやすく伝えていく。
鶏と卵だが、アバター人員も事前に集める必要がある。まずは特定の時間・場所で集めるのが良い。
その意味ではお店、展示会というのは良い選択肢だと思う。では、そこでどんな体験をしてもらうか。
お店がシステム料金を払うなら、送料を払ってでも買いたいと思う理由が沢山あることが必要だ。
そこでしか買えない、限定品である、店員と特別な会話がある。まだまだ考えられると思う。
展示会なら前後の活動を取り込むことを考えてもいい。少し真剣に考えてみようと思う。