今はあまり使われなくなったが、船や航空機などで方位を知るのに用いられる器具のことだ。
コンパスともいう。スマホにはコンパスアプリも存在するが、最近では地図アプリを使う。
いずれにせよ、自分の行きたい方向と進んでいる方向が合っているかを確かめることができる。
知らない土地で、迷わずに目的地にたどり着くには不可欠な道具だ。よく生み出したものだ。
羅針盤という言葉は、目的の場所へ導いてくれるという意味を超えて使われることがある。
例えば、組織の掲げた目的に導くための道具だ。各々の活動が目的に貢献しているかを測る。
最近、注目されているパーパス経営においてももちろん使える。パーパスへの適合度を測る。
但し、地磁気を測る羅針盤と違って、測り方自体もしっかりと考えて、活用しなくてはならない。
企業のブランディングも同様で、測り方を生み出す必要があるが、羅針盤があると便利だと思う。
世の中に打ち出すメッセージ、訴求したいセグメント毎のメッセージの有効性を測りたいからだ。
ブランディング活動では、その時々に発信するたくさんのメッセージがバラバラだと効果はない。
全てのメッセージが一貫していて、相互に打ち消し合わない、むしろ増幅することが大事だ。
パーパス経営は、社会における企業の存在意義を定義して、それに向かって経営をしていく。
ブランディングは、自社の提供している価値を、顧客に的確に伝えることを目的としている。
前者は、まずは社員のベクトルを揃えることだ。外部との共創を生み出すときにも重要となる。
後者は、高頻度で一貫したメッセージを発信し続けることだ。それに取り組む社員の姿勢も大事だ。
羅針盤やコンパスは方位という絶対基準で測ることができる。議論を挟む余地はない。
でも、パーパスとブランディングは、主観がどうしても入り込む。ベクトルがあってると感じるかだ。
社員、顧客、共創仲間の中で、多様性を尊重しながら議論して、羅針盤への共通認識を醸成していく。
SDGsも人類共通のパーパスだ。ブランディングにも使われる。これからは羅針盤が大事だと思う。