瞬間移動を考える

古くはスタートレック。宇宙船から地上の施設へ人が瞬時に移動するシーンが印象的だった。
移動中のシーンが描かれないので、どんな移動が行われているのかは不思議で仕方なかった。
サイボーグの漫画では、奥歯のスイッチを噛むと、移動速度が段違いに上がる。見えなくなる。
宇宙戦艦では、ワープ航法という瞬間移動がある。どうやら時空のゆがみなどを使うようだ。

ここまではSFの世界。まだ現実のものとはなっていない。ただ、スピードの追求は既に凄まじい。
リニアモーターカーで時速500km超え。江戸時代の人の常識からすれば既に瞬間移動だ。
垂直離着陸ドローンもある。瞬時に海を越え、山の頂きまで一っ飛びだ。線路すらいらない。
技術が発展する度に、これまでの常識が覆されていく。次はどんな瞬間移動風が実現するか楽しみだ。

最近の注目は、やはりアバターロボットだ。移動できないものから人の形を再現したものまである。
これは、人が物理的に移動するわけではないが、五感を瞬時に移動してくれる。疑似瞬間移動だ。
視覚と聴覚は当たり前だ。立体音響など臨場感を増す取り組みは進むが、要はスピーカーとマイクだ。
嗅覚はだいぶ前から匂いボックスの開発が行われている。匂いの計測より合成の方が難しいようだ。

触覚はハプティクスという技術がある。何かを掴んだ時、触れた時にに反力を感じることができる。
人は皮膚という多機能かつ高性能な装置を全身に纏っている。性能が追いつくにはまだ掛かりそうだ。
あ、また悪い癖だ。すぐにベンチマークにして、そこに完璧に追いつこうとしている自分がいる。
もっと自由に、今ある技術の組み合わせで、誰かに楽しんでもらえるものを演出すればいいはずだ。

であれば、疑似瞬間移動でいい。なんらかの理由で移動できない人に、移動という楽しさを届ける。
もちろん、移動は観光だけではない。移動先で何か仕事をしている場合も多い。であれば仕事も作る。
通常の人の移動ではできない、瞬時にあちこちにジャンプしながらできる仕事も作りたいと思う。
こんな考えで構想を練っていけば、アイディアが溢れ出てくる。日々心がけていこうと思う