目標を束ねる

迷わずまっすぐに進んでいる。こんな時はゴールもしくはゴールの方向性が見えている。
ゴールが遠く離れていても、着実に進んでいれば、充実感がある。ゴールも近づいてくる。
一方で、暗中模索のケースもある。ゴールがあまりにもバクッとしていて、どう進むか分からない。
ゴールまでの道筋が描けない、やることが膨大すぎる、リソースが足りない。意外とある日常だ。

世の中の商品やサービスはかなり成熟化してきた。だから進化を生む次の一手が見えにくい。
仮にイメージが湧いても、その実現に必要な専門性への理解はなく、とても難儀だ。
自分だけでは事足りない。専門性は細分化され、目的の技術や能力にはなかなか辿り着かない。
既存の商品やサービスの枠組みの中で、自力で中身を研ぎ澄ますアプローチは限界に近づいている。

やるべきことはなんだろうか。まず必要なのは、変える必要のないゴールを見える化することだ。
1つの商品やサービスの進化のゴールではない。たくさんの商品やサービスを束ねたゴールだ。
自社のものだけでなく、他社のものを足し合わせても良い。組み合わせで生み出すゴールだ。
これまで別々に企画していた商品やサービスに共通する抽象度の一段高いゴールを探り出せばいい。

顧客には商品やサービスを使う理由がある。同じ理由のために、幾つかのものを使うこともある。
ただ、その場合も別々の企業から提供されていることもあり、どうしても重複やズレが存在する。
こうした重複やズレは、束ねたゴールを目指す企業群となれば、協調して回避することができる。
相乗効果によって、ゴールの達成度も高くなり、顧客の満足度は急速に高まる。単価が上がる。

改めて、自分の商品やサービスをよりたくさんの人に販売することをゴールにしたくない。
たくさんの人に使ってもらって、いかに深みのある素晴らしい体験をして貰えるかが勝負だ。
ある商品やサービス単体での勝負ではなく、ベクトルの合った多数の商品やサービスを束ねたい。
どんな体験をしてもらうか。一段高い目標に束ねて、協調する。これからの商売のあり方だ。