笑顔を届ける

物流会社のセールスドライバー。笑顔を届けてくれる。
なんども宅配便を受け取っている人は、その感覚を間違いなく持っていると思う。
ドライバーは顔見知りで挨拶が得意。ひと時の世間話に花が咲くこともある。
高齢者や子供は荷物よりもドライバーに会うことを楽しみにしている場合さえある。

物流会社の仕事は、荷物を預かり、それを無事に届けること。
でも荷物には送り主の想いが詰まっている。なので、その想いも運ぶ。
さらには、届け先に笑顔を生んだり、街の安全を見守ったりと、価値を積み重ねている。
つい最近は、お届けもの用の資材「ネコ耳BOX」(猫の形をしたダンボール)なるものまで登場した。

黒と白の2種類。中身を取り出したら、小物入れとして再利用できる。
BOXを並べて後ろからみると、しっぽとしっぽがハートマークになる。集めたくなる。
猫のいる家に届くと、猫のお気に入りになるようだ。猫の箱に猫がすっぽり入る感じだ。
物を届けるという機能から始まった物流会社。今は、届いた後にさえ、人に加えて猫も笑顔にする。

物流会社が「笑顔を届ける会社」に進化するとしたらどんな進化だろうか。
笑顔を街の中に、たくさん溢れさせるには何をすれば良いか。
すぐに思いつくのは、たくさん荷物が届くこと。挨拶や世間話が絶えない日常にすること。
次に思いつくのは、物流会社が届けてもらう側になったり、住民同士で届け合ってみたりすること。

街をよろず屋にする。一箇所でたくさんの役割を担う場所があって、そこにみんなが貢献してもいい。
それぞれの家でも何かの役割を担って、街に貢献してもいい。そこではモノや人の移動が頻繁に起こる。
不自由、我慢、諦め、孤独。家に篭り、街との交わりをなくす。だめだ。モノやサービスをみんなでたくさん届けよう。
ドライバーだけが頑張るのではなく、一人ひとりが届ける主体にもなる。街に笑顔の連鎖が生まれると思う。