美味しいご飯。

以前よりも美味しいご飯を意識するようになった。味わいたいという気持ちだ。
職業柄、長く会食なるものをしてきた。美味しいというお店にも足を運んできた。
その中でも気に入ったお店にはリピートで通うことが多かった。味と人だった。
でも今から思えば、1日働き切った身体では十分に味わうことができなかったと思う。

味はもちろん大事なのだが、次第に自分のことをわかっている人がいてくれるのが安心だった。
お連れする方が2度目にならないように、ご贔屓は10店舗くらいあったと思う。
比較的カジュアルな店から、本格的な店まで、和食、イタリアン、スペインと一通りあった。
なぜか、フレンチはあまり好きではなかったのか、行きつけの店はなかったと思う。

京都に来てからそろそろ2年半。数回リピートをした店が増えてきた。しかも東京より感動が多い。
恐らく、東京と味付けが異なるところもあると思うが、とにかく美味しいご飯に出会ってきた。
しかもカジュアルな店のクオリティが素晴らしい。もっと値段を上げても全く問題ないと思える。
ジャンルも和食にとどまらず、イタリアン、焼肉、寿司、スペイン、居酒屋となんでもありだ。

美味しさに感動する理由はもう一つありそうだ。リラックスしてのご飯が多いのだと思う。
以前のように、「お連れする方が元気になる」だけでなく、自分も楽しむことができているのだ。
そもそも、誰と行くかを決める前に、場所を取ることなど、以前はほとんどなかった。
今は、場所と時間を決めてから、誰と行こうかを決める事もある。それを考えること自体が楽しい。

最近は「器」なるものにも触れる機会が出てきた。文化財というレベルのものにも出会う。
窯元に出かけることすらある。以前なら器を物理現象で捉えていた。今は感性が少し動く気がする。
こんな器で食べたら美味しいだろうな。そんな気持ちが湧いてくる。自分で買ってみようとも思う。
美味しいご飯。楽しみ方はまだまだ広がりそうだ。もっと視野を広げ、多様性を感じていこうと思う。