送り火

昨日、3年ぶりとなる完全な形での「五山送り火」が計画されていた。
送り火はお盆に帰ってきた亡くなられた方の魂を再び送り出す行事だ。
日本には山の送り火以外にも、海の送り火がある。精霊流し、灯籠流しと呼ばれる。
今回のように、しっかりと準備して迎える送り火は初めてだったかもしれない。

昼は快晴だった。仕事を進めながら、少しずつ送り火への期待が大きくなるのが分かった。
送り火は20時くらいから始まるので、昨日は17時からと早めの食事を取ることにした。
メンバーはベンチャーの社長の友人グループと先輩経営者のグループで総勢7人だ。
大好きな中華料理のお店をご厚意で貸切にしていただき、2時間ばかりの食事を楽しんだ。

相変わらず話し始めると、様々な事業の話題、日本の話題で話が弾む。話題は次から次へだ。
19時になり、相国寺の東にあるデザイン会社の屋上に移動する時間が来た。
大急ぎでデザートを食べきり、タクシーに乗り込んだ。間もなく、雨がポツポツと降り始めた。
目的地まで15分程度の移動だったが、100メートル進む毎に雨が次第に強くなっていった。

10分も過ぎると、稲光が轟き、大粒の雨に変わった。そして、すぐにゲリラ豪雨になった。
これは送り火の火が付かないのでは、待ちに待った送り火はない。全員が思った。
目的地に着いた時には、タクシーから降りるだけで、ずぶ濡れになるほどの雨になっていた。
19時半くらいだったか、不安に包まれてまずは会議室に滑り込み、展示物を見て回った。

その後、みんなの祈りの甲斐あって、雨が弱くなり始めた。8時前には完全に止んでいた。
屋上は最初は水浸しだったが、すぐに水ははけ、見る側は準備万端となった。あとは付くかどうかだ。
予定時間より少し遅れて左大文字が輝いた。大文字、船、妙法と続いた。四山の送り火が揃った。
京都で五山みえるのは京都タワーくらいだという。食事と送り火を友人と共に満喫できた。感謝だ。