メカニズム。

昔からメカニズムという言葉が好きだ。物事がそうなるカラクリと言っても良い。
物事は多くの場合、経緯を観れることなく、なんらかの結果を観ることが多い。
故に、感動することも多いが、同時に疑問が湧いてくることもたくさんある。
どうやって出来ているのだろうか。なぜこんなものを作ったのだろうか。

メカニズムと似た概念に「何故を5回」というのがある。真因を見極める手法だ。
表に現れた事象がなぜ起きたのか。事象の起きたメカニズムを5回の何故で深掘りする。
1-2回の何故だと、どうしても表層的になってしまう。5回繰り返すことで深みがでる。
まあ、5回もやると色々と考える。迷路の分岐点を5回越すようなものだ。迷うのだ。

その迷いの過程でメカニズムに対する理解が段違いに高まる。当事者の近くに行ける。
もちろん、当事者本人の手触りは得られないが、横展開可能なメカニズムにはなる。
常日頃からこうしたメカニズムを捉える訓練をしておくと、頭の整理が進むのだ。
まるで生成AIの言語モデルのように、メカニズムを捉え易い脳の構造になるのだと思う。

因みに、メカニズムを捉えて言語化する能力を鍛えると色々なシーンでご利益がある。
何か構想を練る時、誰かの構想を議論する時。更には関係を深めようとする時。
構想の生まれた背景が見えてくることに加えて、相手の考えの過程を掴めるからだ。
対話を進めると形になる。自分の考えが整理される。相手がそう思ってくれるからだ。

さらに、メカニズムを捉えることができると、相似という概念も操れるようになる。
今話している考えや構想はあのメカニズムに似ている。であれば具体の事例に落とせる。
別の分野の話かもしれないが、例え話ができるようになるのだ。これが結構役にたつ。
日々、目の前に起きていることのメカニズムを1つ必ず意識してみる。世界が変わる気がする。