日本。

これまで生きてきた中で今が一番、日本を意識していると思う。
海外の国々にも数多く行く機会に恵まれてきたが、もちろん悪いとは全く思わない。
でも、日本はやはり特別な気がする。肌に合うのか、落ち着くのか。
説明はできないが、日本人であって本当に良かったと感じている。

冷静に考えれば、過ごした時間が長いか、馴染めたかという話かもしれない。
ドイツは2年間滞在した。欧州の中で最も身近に感じる国なのは間違いない。
でも、また住みたいかと言われると、どこかがしっくりこない。言葉だろうか。
水や食べ物だろうか。結局は心が安らぐシーンが持ちやすいかなのかもしれない。

この5年くらいは日本のあちこちを回ることを意識的にやってきた。
しかも文化に触れようと意識しながら回った。しかも多様な文化に出会う旅だ。
博物館や美術館はもちろん、演劇や伝統工芸などの現場にも出向いた。
ひたむきに最高を追い続ける姿に、正直感動を覚えた。勇気をもらった。

でも同時にそうしたものが失われつつあること。進化が止まりつつあることが分かった。
そんな課題もひしひしと感じるようになった。守られるだけの対象となっているケースもある。
守るという側面はある程度必要なのは分かるが進化が止まる。魅力は今を息づく文化のはずだ。
活き活きとした文化をいかに増やしていけるかが、やるべきことと感じている。

日本が世界のお手本になる。これが大事だと思う。多様な日本の文化を育み広げる。
豊かな村、エリアで多様な文化が育まれる。そうした文化と文化の重なりを楽しむ。
お金を回してきて、そのリターンを創り出す。企業との絡みが鍵なような気がする。
日本では企業が新たな形で多様な文化を育み、その過程で活力を得る。そんな仕掛けを創造したい。