トランスフォーメーション

巷に溢れるX。これはトランスフォーメーションという意味だ。英語にはXがないのに。
どうやらTransの接頭辞を英語ではXと表記するらしい。だからXとなって日本に入ってきた。
Xを認識するまで何段階かあるからか、Xの意味の捉え方は多様だ。なんでもXになっている。
でも、私の中では日々の営みやシーンの流れが豊かに変質すること。そんな捉え方をしている。

「豊かに変質」は、技術による単なる効率化によって人が楽になることに留まらない。
可能な限り、人が新たな価値を享受する、もしくは人が新たな価値を生み出す状況を作りたい。
そんな感覚でいる。なので、新たな日常を作ることが大事だ。これいいねという日常だ。
もちろん、この定義でも程度の高い低いはあると思う。なので結局のところXの意味は多様だ。

でも、技術が主語ではなく、新たな日常が主語だということははっきりさせておきたい。
そして、日常を作るには一つの技術だけではまったく足りないのは当たり前だと考えて欲しい。
もし、新たな日常を新たな社会と捉えたら、いったい幾つの技術が必要になるだろうか。
トランスフォーメーションとはそのくらいのレベルのことを意識して進めなくてはならない。

どう進めるか。これはやはり新たな日常を構想することから始まる。やり方は2つある。
1つ目は自分が持っている技術を活用するメイン技術として捉えて、新たな日常を描くことだ。
この場合でも、間違っても、自分の技術の導入が目的になってはいけない。新たな日常が主語だ。
新たな日常を生むのに、自分の技術を使うだけでなく、足りない技術を揃えなければならない。

もう一つは、大きな新たな日常を構想している人の構想に能動的に乗っかっていくことだ。
あなたの考えている構想に、自分の技術がこんな形で貢献できると提案をしていくイメージだ。
大きな構想を描いている人は、仲間が必要だということを確実に感じているはずだ。
故に、こうした提案に対してとても歓迎する。これら2つのアプローチを常に考えていきたい。