演劇。

詳しくは知らないし、調べたこともない。でも最近演劇を見るようになった。
何より感じることは、人の営みを描いていることだ。喜怒哀楽を描写している。
時代や国がどこだろうと、変わらない人の心の動きがあるように思える。
役者さんたちはそれを見事なまでに表現してくれる。心に沁み入るように入ってくる。

バッドな描写が幾つも入っている中、最後はハッピーで終わって欲しい。そうでないと後に引く。
いくつもの苦難を乗り越えて、一筋の光明を見つける。簡単ではないが諦めない。
どうしようもない葛藤と、なんとか這い上がろうとする姿。そんな姿を見ていると、勇気が出る。
どんな世界でも諦めなければ切り開くことができる。そう改めて思うきっかけになる。

演劇では生きる死ぬの世界が描かれる。今の世界でも戦争はそんな世界だ。もっと理不尽だろう。
大勢の人の日常でも、ストレス社会と言われるように、心を病んでしまうことが多々ある。
そんな時に、生きる力を分けてもらえるのが演劇なんだと思う。自分の周りで起きた事に感じる。
演劇なら登場人物すべての関係を俯瞰できる。それも冷静に、客観的に感じることができる。

自分に降りかかってきた事だと、こうはなれない。感情が心を支配し、冷静さはなくなる。
もし、演劇で見た経験があると、ほんの少しだけ冷静になれるような気がする。少し我に帰る。
すると、世界が別の姿に見えてくるかもしれない。全てが敵ではなく、味方がいると。
別のシナリオがあることに気づき、抜け出すきっかけにすることができるかもしれない。

役者さんたちは、本当にすごい能力を持っていると思う。憑依する力、見る人の心を掴む力。
演劇を見ながらもっとこの力を日常に溶け込ませたい、そんな思いを強く持った。
昔は劇場などなく、大衆を前に一筋の希望を振り撒いていたのだろう。勇気と元気をもらった。
演劇で多様性を俯瞰する。生きる知恵を得る。そんな関わり方が素敵かもしれない。