俯瞰する。

色々な現場で人材不足が叫ばれている。人口減少社会なのだからある意味仕方がない。
でも、これまでそうした現場で活躍できなかった人を登用できれば状況は大きく変わる。
例えば、建築現場。イメージは筋力がいるだ。物凄い力持ちが働いている。
筋力がないと、荷物の積み下ろしや運搬はできず、現場にいずらいという感じもありそうだ。

そんな現場で、女性や高齢者が生き生きと活躍することはできないだろうか。
筋力の不足分はロボットやその他の機材でアシストしてあげれば問題ないと思う。
ただ、人間という生物はなかなかの高性能で、器用だ。そうは簡単に代替できない。
どの作業なら筋力部分が任されれるか、経済合理性もある程度見込めるかを見極める必要がある。

昨今の搬送ロボットやアシストスーツなどの技術を活用すれば、高い割合で代替ができる。
でも、一連の作業連鎖の中では、どうしても高度な業務があり、筋力のある人が欲しくなる。
例えば、建築資材の取り付けだ。ロボットへの積み下ろしも資材によっては難しい。
それから、人は簡単に移動して様々な作業を行えるが、搬送ロボットなどは人間ほどの汎用性はない。

そのため、もしすべての作業をロボット等でやるなら現場に新しい機材が溢れかえることになる。
もちろん、アシストスーツを使うという手もあるが、着ると暑いし、着てもそれなりの筋力がいる。
なかなか1つの方法で全てを置き換えることなどできないことになる。どうしたらいいか。
答えは、作業を俯瞰して、筋力のある人、ない人、機材を組み合わせた新たな工程をつくることだ。

今までは、筋力のある人を前提とした工程だった。これくらいなら持って運べる。そんな感じだ。
これからは、現場に資材をこう運び込んで、この手順で作業場までロボットで持って行く。
ここでピンポイントで筋力を使う。水分や糖分を補給するタイミングなどもしっかりと考える。
考えることは山ほどありそうだが、新たな現場づくりは楽しそうだ。未来は切り開けると思う。