目的が目に入る化。

何か物事を成し遂げようとする時、計画を立て、組織をつくり進めていく。
想定顧客に響く価値、支払ってくれる対価、それを実現するオペレーション。
事業に関わる様々な要素について、色々な想定をしながら、進んでいく。
そうした想定を一つひとつ確かめながら、順次実現可能な計画へと修正し実行していく。

こうした計画立案から実行のプロセスにおいて、以前より大事にしていることがある。
それは、この計画で何を実現したいかという「ブレない目的」の設定だ。
多くの場合、「付加価値を高めて、より多くの顧客からより多くのお金を頂くこと」を狙う。
計画の細部がいくら変わろうとも、この目的が達成されることだけは担保していく。

でも、計画実現に向けて一つ一つ活動をしていると、日々、様々な壁にぶち当たりネジ曲がる。
特に、業務の変更を余儀なくされる現場との軋轢は大きな壁で、頻繁に現れる。
リソースが逼迫している中、追加の業務になるから無理だ。何の役に立つのか分からない。
現場の理解が無くては進まないので、この壁はなんとか乗り越えなければならないと焦る。

終いには、どうしたら追加の業務にならないようにできるか。それを真剣に考え始める。
ここを自動化すれば、手間は増えない。業務の変更はなくなり、現場を安心させられる。
気づくと新しい取り組みは現場との一体感のない小規模なトライアルに終わる。
「付加価値を高めて、より多くの顧客からより多くのお金を頂く」からは完全に遠ざかる。

こうした事態に陥らないために昔からよくやっていたことがある。それは「目に入る化」だ。
パソコンを開けた時、目覚まし時計をみた時、トイレに座った時、目的が目に入る工夫をする。
ふと我にかえり、自分の昨日やったことが、ブレない目的に照らしてどうなのかを考える機会にする。
1日単位で無くてもいい。こまめに振り返り、常に目的に真っ直ぐに向いていくことを続けていきたい。