新たな凄いに出会った時

世の中では日々色々なものが発明、開発されて人々の前にお披露目されている。
ニュースで広く取り上げられるケースもあれば、ひと知れず消えていくケースもある。意外と多い。
とても勿体無い。魔法の引き出しがあって、役立ちそうなものを自動で出してくれたら嬉しい。
例の猫型ロボットの四次元ポケットはそんな人の想いから生まれてきたものなのかもしれない。

誰かが作る魔法の引き出しはいつできるか分からない。なので自分なりの努力を続けている。
まずは新しい凄いにたくさん触れる努力だ。なるべく種類の幅を増やそうと趣向を凝らす。
凄いに触れるか、想像や妄想をして価値を体感しているシーンをイメージしていく。
これをやっておくと、後から引き出す際に、検索フラグのようなものになり、見つけ出しやすい。

次はその価値を生み出しているメカニズムを紐解く。どんな技術の組み合わせかを理解する作業だ。
これまで見てきた凄いに使われていた技術はどれで、使われていなかった新たな技術も特定する。
この辺りまでたどり着くと、メカニズムの概要は見え、凄いの勘所が分かってくる。
組み合わせの妙の発見もあるし、新たな技術自体の凄さに驚くこともある。ワクワクしてくる。

気になるのは新たな技術のメカニズムだ。どうしてそんなミラクルが生まれるのかを探りにいく。
要はその技術が生まれた際のブレークスルーを理解しようとする。ここでは自然科学の感覚が活きる。
原理原則に沿って起きている事象を思い描く。既知の部分の解像度は下げ、「新」にフォーカスする。
今まで何故できなかったのか、なぜ乗り越えられたのかを必死で解きほぐしていく。教えてもらう。

引き出しが増えていく瞬間だ。でも単純に引き出しに新たな発見をしまうだけにはしない。
類似したものを引き出してみたり、その技術がどんな技術と組み合わさったら面白いかを考える。
新たな凄いの理解にとどめておかず、そのメカニズムに沿って分解して、創造の部品に仕立てていく。
頭の中にはハッシュタグとは違うものの、用途に応じて部品を引き出す道を敷いている気がしている。