常に答えで対話する

現時点での答えを持つ。何をやるのにも常に心がけてきた仕事の進め方だ。癖になっている。
勿論、答えといっても色々な論点を詳細まで描き切るという意味ではない。そもそもできない。
簡単ではないが、チームの人に創意工夫と詳細化を託せるレベルまで噛み砕いた答えだ。
羅針盤がある状態と言っていい。その羅針盤に向けてチームメンバー其々が進んでいける。

要は何がやりたいか。ある意味この問いが全てだ。流石に、開始直後での答えは抽象度が高い。
何となく分かるが、具体策は色々取れる状態だ。油絵で言えば、構図が決まった状態だ。
ここにこれを描いて、色目はこんな感じ。全体の配置はこんな具合だ。見た人の想像を掻き立てる。
油絵では分業はしないが、ビジネスの場合、担当が決まり、其々の役割を進めていくことになる。

やりたいことを常に持つのだから、それを自分事として考えることが不可欠だ。責任者の立場だ。
仕事のスケールが大きければ、例えば何十人もの今後数ヶ月の時間を預かることになる。
今、自分が持っている答えが、本当にみんなの力で、素晴らしい価値に変わっていくだろうか。
未来を懸命に見通す。少しぐらいの状況の変化にへこたれることなく、答えがぶれない軸になるか。

考えぬいていく。その際、大事にしているのは、答えがとてもシンプルで誰にも分かりやすいこと。
そして、そのシンプルな答えをチームに伝えるべく、それを具体に落とし込んだものも用意する。
メンバーの創意工夫を促す為の、きっかけになればとの想いだ。それを作りながら具体化を進める。
メンバーの作った具体がだんだん増えてくると、答えの解像度が高まり、チームでの共有が進む。

具体の数が増えてくると、具体の相対比較もできるようになり、過不足やベクトル違いが見える。
最初は解釈の違いだらけだったが、ここまでくると、答えはチーム全体の共通理解へと近づく。
「最初の答えの意味は、そういうことだったんだ」とメンバーの各々感じている状態だ。
勿論、最初の答えがダメでやり直しの時もある。でも、新価値の量産に向けてこの手法を続けてく。