業際を重ねる

自然界で作物を作ったり、自然界にあるものを採取する産業が一次産業。農業、林業、漁業等だ。
その後、それらを加工する二次産業が生まれ、加工という付加価値が足されて、価格が上がった。
木材で家を作ったり、自動車を作ったり、食品を作ったりする。大量生産もできるようになった。
三次産業は、一次と二次には含まれない産業だ。サービス業だが、その付加価値は多種多様だ。

ここ50年、三次産業の種類は爆発的に増加した。それに伴ってそれらの専門家が生まれてきた。
アーティスト、都市計画家、銀行員、ゲームクリエータ、俳優、YouTuber、AIエンジニア等だ。
マッサージ師、占い師、ライフプランナー、インテリアコーディネーター、睡眠指導等もある。
1つの領域を極めれば、どんなテーマでも専門家になれる程だ。市場規模は様々だが成立しうる。

一方で、一次や二次産業は、成熟が進み、モノ売りからコト売りの変革が求められている。
つまりは、加工の付加価値を足していくだけでは、十分な魅力を顧客に届けにくくなってきたのだ。
自動車産業では、新車の価値より、車を使ったサービスの価値が相対的に高まってきた。
最近では、軽トラックでワーケーションを実現する「うごくまち」というコンセプトも現れた。

軽トラックなのか、移動サービスなのか、オフィスなのか、レジャーなのかが分からないほどだ。
どんどんこれまでの一次、二次の垣根がなくなり、三次の様々サービスとの融合も進んでいる。
どうやら新たな事業を作るために、色々な事業にある付加価値を組み合わせていくのが良さそうだ。
様々な専門家からなるチームを組めば、対象となる顧客に新たな体験を生み出すことだできそうだ。

ここにも新たな専門家が必要になるだろう。まずは様々な付加価値や専門家を理解している人材だ。
この人材に聞けば、どんな付加価値を持った専門家でも見つけてくれる。かなり人気が出るだろう。
もう1つ大事な専門家は、新たな事業のテーマを投げかける専門家だ。事業アーキテクトだ。
これら2つの専門家が揃うと、業際だったところに、付加価値の高い新たな事業が生まれると思う。