創造性にこそ対価を

モノの値段を決めるのは、意外と難しい。材料と人や機械の作業を洗い出して儲けを足す。
これだけでは、そのモノを着想してから、実際のモノにするまでの試行錯誤の時間は入ってない。
いわゆる企画・開発の部分に相当するが、此処にこそ価値があるのではないかとも思ってしまう。
大量に作るモノであれば、数を売った儲けで、企画・開発の費用を充当できるが、違和感が残る。

予め企画・開発に掛かった時間を測っておいて、それに関わった人の時間単価を掛ける。
そうすれば、労働時間の総量としての原価は見積もれる。でも、これには創造への対価がない。
どんな大きさの価値を生んだのかが、見えてこない。仕事の質に依らず、一定となってしまう。
これでは、企画・開発において、創造性が発揮されにくい状況となるだろう。やはり難しい。

数が売れた。これはある意味、モノの値段に対して価値が高いと認められた状態だろう。
この場合は、値段に対してとの注釈付きだが、企画・開発の創造性が認められた事になる。
一番分かり易いのは、相場より高い値段で売れたケースだ。これなら間違いなく創造性が高い。
でも、いずれにせよ、価値の高さは、企画・開発時には見積もれない。売れた結果でしか計れない。

ここまではモノの値段の話だ。これがサービスになるともっと難しくなる。材料代の比率が下がる。
基本的には人による作業がメインだ。標準作業の組み合わせなら、時給掛ける時間が値段だ。
でも、顧客毎に、案件毎に、創意工夫しながら価値をカスタマイズするなら、価値の対価が欲しい。
時間単価を上げて、標準作業の質の高さを示していくことも勿論できるが、単価は下振れしやすい。

ふと思った。チップという制度がある!最近あまりみないが、ありがとうを示す仕掛けだ。
これはサービスを受けた後に、受け取った価値に対して顧客が支払うお金だ。現代版チップ!
通常のお金とチップを分けたらどうだろうか。たくさんのチップは創造性の高さを示すものだ。
日々、創造性の高さに対して、敬意とチップを払う文化。どうにかして育んでみたい。