価格を上げるには、今提供している価値に、新たな価値を足していくことが大事だ。
今の価値と一緒に使いたくなるものを一緒に提供する。もしくはブランドの世界観を魅せてもいい。
前者はその先にあるやりたいことをワンストップで進められる嬉しさがある。束ねれば価値になる。
後者は、提供先の顧客と日常の様々な場面で接点を持つことや、メッセージを伝えることが必要だ。
共通して言えるのは、小さくてもいい、幾つもの新しい価値を重ねているということだ。
あ、ここでも助かった、ここも嬉しかった。ここからもここからもメッセージが伝わってくる。
「有難いという気持ち」や「ブランドメッセージへの共感」は間違いなく対価を生む価値になる。
価値の組み合わせ・重ね合わせは、差別化を生み出せる。同業者にはない特徴になる。
尊敬する経営者が、「掛け合わせる能力を増やせば増やすほど、真似できないものになる」と語る。
「いかに高く売るか、コスト競争ではない土俵で勝負できるようにしていく」と続ける。
航空機部品の品質規格を取っているか。海外での品質認証をとっているか。設計能力は高いか。
英語で対応できるかなど。こうした条件を1つずつ掛け算していくと、競合は限りなく少なくなる。
価値を重ねていく時、都度、人の工数や時間を掛けてゼロからやるものばかりでは大変だ。
使った時間だけ、時間給、つまりコストが増えていく。これでは時間単価の世界から抜け出せない。
大事なのは、いつでも工数をかけずに沢山の価値を提供できる状態に準備しておくことだ。
前線で価値提供をする人に、使いやすい武器を揃えておき、状況に合わせて選んでもらうことだ。
その武器は規格や認証でもいい。設計力の高さを伝えるサンプルでもいい。語学力もありだ。
紹介できる凄腕の仲間でもいい。翻訳力や繋ぐ能力でもいい。聞く力、解釈する力でもいい。
それらをメニュー化したり、顧客との接点に沿って、其々の接点で使えるものを整理してもよい。
前線で顧客と対峙している人のシーンや気持ちを捉えて、価値の重ね合わせを支援していきたい。