良い提案

昨日も書いたが、最近、新しいことを生み出したいという気運が高まっている。
その際、外部の力に頼ることもしばしばだ。最初は自らで始めるものの新価値創造の壁が高いからだ。
大抵の場合、コンペが開催される。お題は具体のない圧倒的〇〇などの「形容詞的なもの」になることが多い。
そして、提案者には壁を打ち破る具体を求めている。締め切りが近づいてからのコンペだからだ。

もちろん、全フリーハンドではなく、分野は決まっている。AIや5Gなど最先端の技術の場合が多い。
それらの技術を適用したいテーマも大枠ある。ニューノーマル、SDGsなどのメガトレンドだ。
ただ、これが厄介だ。コンペ開催側にはどんなニューノーマルか、誰を対象にしたニューノーマルかがない。
例として提示されるのは、ネット検索をすればすぐに見つかる背景などのない切り取った事例だ。

よくある提案は、その辺りの分野やテーマについての豊富な実績のアピールだ。確かに魅力的だ。
間違いなくいくつかの成功例を持っているから、それに追いつくことができそうと考えるからだ。
でも、しばらくすると担当者は気づく。「自らの会社らしさはどこ?」とツッコまれる自分に。
要は、アンパイで今回だけ乗り切るか、それとも「らしさ」を共に作れるパートナーを探すか、、、

こんな心境の担当者にとって魅力的なのは、具体から入ってくれる提案だ。4-5個の具体があるといい。
それを見て感じるのは、「なんかアイディアがたくさんありそう。へんなのもある。これは面白いかも」だ。
もしかしたら、この人たちとやると、失敗するかもしれないけど、成功したら「らしさ」を実現できるかも。
担当者が勤勉であればあるほど効く。なぜなら、類似の事例検索を完璧にこなしているからだ。

良い提案とはなんだろうか。一番大事なのは、具体のアイディアがあることだ。顧客の気持ちが動くものだ。
ただし、1つではだめだ。何故なら、新しいアイディアはまず間違いなく突飛だからだ。
担当者や評価者がその1つに反応しないと、即負けが決まる。なので種類を多くすることだ。
それは視点の多さのアピールにもつながる。1度目のコンペはアンパイに負けてもいい。必ず帰ってくる。