物事にはバランスがある。組織という大きさで物事に取り組む場合には特に意識される。
誰が活躍しそうか、自分の思い描いている流れと合っているか。組織ならではの葛藤があると思う。
組織の中で自らの、そして上司の立ち位置がどうか、相対感が気になるからだ。
最近よくある残念な状況は、既存事業と新規事業の戦いだ。この2つは性格が違う。だからややこしい。
まず既存事業はお金を生む。というか生み続けている。利益率は競合の有無や価格の下落傾向と関係する。
今の顧客を失わずに、付加価値を如何に足して儲けるか。新たな顧客をどう掴んでいくか。
これまで積み上げてきた積み木を、大事にしながら更に大きな積み木に仕立てていく作業だ。
そして、最も力を入れるのが、オペレーションの効率化、コスト削減だ。スケールメリットも追求していく。
一方、新規事業は何が当たるかはある意味最後まで分からない。お金を頂けた顧客ができて始めて分かる。
だから、自らの想いやチームの想い、そしてまだ見ぬ顧客を想定、妄想して事業を組み立てていく。
既存事業に比べて、明らかに失敗確率は高い。出出しは特にお金が掛かる。しばらくはお金を生まない。
既存事業からしたら、いわゆる金食い虫である。でも、次の既存事業になることもある。悩ましい。
既存事業も昔は新規事業。でも、新規事業だった頃を知っている人は大抵既にいない。
当時の既存事業や銀行に支えてもらったことを体験として覚えている人はごくわずかだ。
新規事業は会社の次の柱を作る気なので投資も当然と感じる。そして何故かオペレーションを疎かにしがちだ。
新規事業と既存事業は水と油になる。時間軸をずらして2つの事業を重ねてみるなんて、やるはずもない。
2つの垣根を、壁を無くす。新たなバランスを作る。こんな考えが大事そうだ。
いっそ、全ての人に新規事業を担当してもらう。新規と既存の比率は各人の自由だ。0と100は作らない。
新規事業にも既存事業にも共通の機能や要素がある。既存の中に新規で使えるものがある。逆も然りだ。
であれば、機能や要素の貸し借りを増やせばいい。組織のKPIに貸し借りの量を据える。面白くなる。