電子ブロックとは1965年に発売された電気実験キットで、1970年代に熱中した代物だ。
あらかじめ電子部品や配線が組み込まれたブロックを並べることで電子回路を組んで実験が行えた。
プログラミングとは無縁で、トランジスタや抵抗のブロックを組み合わせて、ラジオを作ったりした。
創意工夫をするというより、お手本をなぞりながら、シンプルな家電製品を作れるのが嬉しかった。
昨日の出会いは違った。世の中にない機能を生み出す可能性をもったデバイスキットだ。IoTを学べる。
インプットとアウトプットが2つずつあり、各種センサーやカウンターなどがつなげる。
PCで「もし右上のセンサーが1なら、右下のLEDを点灯させる」といった命令を書ける。
それも、画面上でブロックを組み合わせるだけで出来上がり、プログラムの知識は要らない。
お手本はもちろんあるが、電子ブロックとは異なり、お手本をなぞることを目的としていない。
使い方をお手本で覚えた後は、自分の描いた機能を実現するために創意工夫をしていく。
例えば、自分の思い描く世界は、「開けたドアは閉める」なので、「空いていれば警告を出す」だ。
要は、ありたい世界を描いた上で、その状況とは異なる状態を検知して、修正を促すという感じだ。
さらに、自分が作ったソリューションを発表する場も用意されている。専用のメタバースがある。
ソリューションをアップすれば、コインがもらえ、そのコインはセンサーなどの購入に使えるという。
創意工夫をすればするほど、たくさんのコインがもらえ、更なる創意工夫の好循環が回るのだ。
回答がない世界が広がっている。自分で世界を広げていくことができる。50年の進化は素晴らしい。
この仕掛けを複数使って、電源やモーターなどを加えれば工場のラインのようなものまで構築できる。
センシングや制御と、動力のいる動作は別に組み立てればいいことも学べるようだ。
PC上のプログラミングと、装置の制御をこんなにも簡単に試せるのには正直驚いた。
こんな刺激を受けた子供はどんな脳の構造になるのだろうか。日本の将来が楽しみで仕方がない。