AIの使い方

人の仕事が奪われる。AIの話になると、こんな話題がすぐに沸き起こる。
確かに現時点で人がやっている仕事のある部分をAIで代替することはできる。
特に、分類や異常検知などで難易度の低いものは、代替が進んでいる。
人が繰り返しの作業で苦痛であると感じていたものは少しずつ減ってきている。

でも、せっかくのAIという技術。こうした単純作業の代替だけに使うのはもったいない。
代替を超えて、今まで使ってこなかったところや諦めていたところにも使いたい。
本当ならやっておきたいところだが、技術的にも、費用的にも難しかったことは色々ある。
安全の確認などは典型的だ。人が見落としているタイミングはいくらでもあるからだ。

そもそも車の運転においては、ルームミラー、サイドミラーに死角が存在する。
カメラとAIが、360度を常に監視すれば、ドライバーに、安全に向けた注意喚起が可能だ。
さらに、ドライバーを監視すれば、体調悪化による突然の運転不能といった状況にも対応できる。
自動停止は、完全自動運転に比べれば難易度は低く、多くの人がぜひ付けておきたい機能だと思う。

これまで時間や工数が理由で試せなかったことにも使ってみたい。例えばシミュレーションだ。
自分の思い描いたゴールを上手く実現するには、色々なアプローチを試したくなるのは常だ。
でも、シミュレーションにも時間がかかり、解析にも時間が掛かるとそう沢山できない。
しかたなく、長年の勘や経験で「えいや」といくつかに絞って、ゴールに近づこうとする。

その結果、思い描いたゴールを実現するメカニズムは闇の中だ。試行錯誤が続くことになる。
でも、AIで総当たりシミュレーションをやり、結果を整理できれば大きな進歩が期待できる。
このパラメータを変えるとこういう変化が生まれる。沢山やればメカニズムの知恵へと昇華できる。
AIは効率化に役に立つ。でもせっかくなら新たな価値やきづきを生み出すのに使っていきたいと思う。