アーキテクトの意味合い

語源は、ギリシア語のアルキテクトンarchitektōnで、大技術家という意味だという。
多芸多才な技術者で、平時には神殿などを建て、戦時には攻撃や防備の施設や道具を次々につくる。
しかも戦場で考案しつくり出す技術家だという。ありものの組み合わせで大きな価値を生み出すのだ。
まさに創意工夫の権化のような存在だ。改めて、その言葉の重みに身が引き締まる思いだ。

現代では建設するものの意味で使われることが最も多い。現場の大工ではなく、設計側の人をさす。
IT関連ではソフトウェアアーキテクチャ、システムアーキテクチャを作る人と意味合いで使われる。
最近では都市計画や産業構造を構想して社会実装を進める人もアーキテクトと呼ばれている。
いずれにせよ、全体の構想及びその構想を構成する要素技術を選択して組み合わせる役割を担う。

大事な能力はまず俯瞰力だと思う。アーキテクチャには関係者が多く、包含される機能も多様だ。
故に、全体としての合理性や受容性は極めて重要となる。偏った独りよがりでは成り立たないのだ。
全体を見通して、関係者すべてが追い求めたい本質的なゴール、パーパスを設定する必要がある。
さらに、機能をそのパーパスに貢献できる形で整えていく。不協和音が生まれない形をめざすのだ。

もう一つ大事な能力は好奇心だと思う。様々な機能を実現する「具体」に日頃からアンテナを張る。
人によって異なる様々な価値観に触れておくこと、興味を持って触れておくことが大事だ。
人々の声を聞き、世の中のありものにパーパスを意識したフラグをつける。日々続けていけばいい。
こうした好奇心があることで、パーパスを人々の共通のゴールとして打ち立てることができるのだ。

きづきアーキテクトという言葉は、「みんなのきづきを築きたい」という想いがこもっている。
何にきづいて欲しいかと言えば、アーキテクトになる楽しさだ。新たなものを生み出す楽しさだ。
アーキテクトには誰でもなれる。視野を広げて、人に興味を持って、社会と対話を続ければいい。
多様なアーキテクトがいる国、日本。10年後にこんな日本になるためのアーキテクチャを作りたい。