力の入れ具合

やるからには全力で。幼い頃からそんなことを考えてきたように思う。
ブランコであれば、誰よりも空高く漕ぐ。ずり落ちないように必死で掴まる。
引越バイトであれば、集中度を高めて、重い荷物に神経を巡らせ、無事に運び切る。
仕事であれば、納得がいくまで、寝食を忘れて、やり続ける。こんな感じだ。

ただ、十数年前くらいからこのやり方以外のやり方もあると、少しずつ感じてきた。
このやり方以外の方が、逆に成果につながると感じる場面にも気づくようになった。
良い塩梅に力を抜く。集中力を広範囲に分散させるイメージだ。全体をみると言っても良い。
ある意味、物事はバランスが大事だと感じるようになったからかもしれない。

もちろん、全力が悪いわけではない。それぞれの持つ役割を全力で全うするのは正しい。
ただ、全力が担当した役割だけに集中すると、全体の調和が間違いなく無くなる。
担当した役割の向こうにある全体、周りの役割との連動。この奥行きを持つかどうかだ。
一点を目指した全力というより、探りながらの全力と言っても良いかもしれない。

焦らないというのも大事だ。最高のものを素早くではなく、じっくりと探っていく。
こんな姿を側から見ると、なにか余裕すらある状態に見えるかもしれない。
作業ではなく、力を抜いて全体をみて、考える時間を過ごしているのだ。笑を浮かべながら。
そうだ。視野が広がるとだんだん楽しくなるのだ。全力の質が明らかに変わったのだと思う。

ただ、探りながらの全力は難しい面もある。周りが見えなくなると遠慮が始まる。
そんな時は、全体のどこかに何かしらの刺激を投入する。そうすると、変化が生まれる。
それぞれの人がそれぞれの立場で、刺激を投入すると、バランスのある姿が見えてくる。
出過ぎない。でも出る時は出る。ぐっといく時もあれば引く時もある。要は試行錯誤だ。