キャッチアップ?

日本の将来を考える会議に出る機会がある。その時にいつも思うことがある。
欧米のベンチマーキングをとても重視している。まず調べたことが資料に並ぶ。
確かに欧米、とくに欧州は長期的な視点で動いているので動きが早い。
実際、様々な国際標準が欧州主導で作られている。調べる意義はあると思う。

弊害もあると思う。調べれば調べるほど、疑問が湧いてくる。なぜこうなっているのか。
それを知りたくなり、次から次へと調べ物が増えていく。調べられるところまで突き進む。
かなり調べが進むと、今度はそれがとても素晴らしいものだと感じ始めてしまう。
確かに素晴らしいのだが、まるでそれしか回答がないかのように信じるようになる。

本来あるべきは、今の姿を調べた上で、まずはありたい姿を描くことなのだと思う。
どんな未来があると嬉しいかを妄想することが大事だと思う。具体も色々考えてみる。
それができたら、その未来をみんなが嬉しいかを考えていく。嫌だと思う人がいないかも確認する。
調べ物とは、今あることを詳細にみるのではなく、ありたいと考えた未来が正しいかを検証するものだ。

さらには、その未来を実現するために活用できるものを探すためのものだと考えている。
おそらく、その未来は全く誰もが考えていない未来ではないので、部分を目指して動いている人もいる。
そうした人をどんどん探し、一緒に進める仲間を集めるのも調べ物の目的だ。
日本に限らず、欧州の人もどんどん巻き込めば良いし、既にあるならどんどんそれを活用すればいい。

同じ未来を単にコピーしていてもつまらない。ありたい未来のために、部品として使うことが大事だ。
こんな役割を加えたら、ここでこの役割をこの人に担ってもらったら、より良い未来になる。
こんな考え方をしていきたいと思う。日本が勝つためより、日本が存在感を出すためでいい気がする。
性善説すぎるかもしれないが、存在感があるところにはお金も回ってくるはずだ。存在感を出したい。