ハマる。

経験の浅いもの、物語の進行が速度がゆっくりなもの、静かに座って鑑賞するもの。
母国の言語とは異なる言語、見どころが五感の一つだけ、舞台から遠いとろか見る。
誰が出ているかも分からない、技が凄いのは分かるけど、その凄さを表現できない。
こうしたものは、なかなかハマり難いと思う。純粋に刺激が少ないからだ。

歌であれば、何オクターブくらい出ているのだろうか。喜怒哀楽をどう表現しているのか。
もちろん、なんとなくは分かるが、言葉の意味が分からないと、しっくりと伝わって来ない。
たとえ、字幕で翻訳が出ていたとしても、その人の発する熱量が乗る言葉の力が見えて来ない。
おそらく、演者に感情移入できないのだ。なにか消化不良になってしまう自分がいた。

これは昨日見た舞台の一つ目の演目だ。恐らく、伝統的な演目だと思う。格調は高いと思う。
でも少し初心者には難易度が高かった。素晴らしいのは分かっても、次見たいとは思えなかった。
それに対して、二つ目の演目は、舞台にスクリーンが出てきた。そこに次々に映像が映し出される。
見ているだけで、ストーリーが分かる。現実のシーンから、異次元の世界へと飛んでいくのだ。

小気味の良いテンポで話が進んでいく。現実のシーンでは強かった人間が異次元では弱くなる。
異次元の世界で色々な学びを得ながら、主人公が成長していくのが分かる。根は良い子だったのだ。
さすがに映像も使っているだけに、舞台の転換も早く、それだけ見ていてもとても面白い。
初心者入門といった演目だったのだろう。どこかミュージカルを感じさせるものだったと思う。

二つ目の演目は楽しかった。でもハマるかと言われれば、もう少し刺激が欲しいなという印象だ。
この演劇にしかない技法とか、プロの技が何かを知らないと、それに注目することもできない。
背景や成り立ち、この演劇ならではの奥行きを自然と知れる仕掛けが欲しいと感じた。
素人がへー凄いと思わず感じてしまう何かだ。入り口から推しになるまでのストーリーがいると思う。