仕事の環境。

大都会の高層ビルの高層階でパソコンと共に長い時間にわたって仕事をする。
少し前までこんな状態を続けていた。全部で25年くらいになると思う。
朝、出勤するとエレベータを待つ。2つのうち上層階行きのエレベータだ。
フロアに着くと、カードキーで鍵を開け、すぐにデスクにパソコンを広げ仕事を始めた。

高層階だというのに、窓の外に広がる壮大な景色、夜景も含めて眺めることはあまりなかった。
仕事に集中してただただ時間が過ぎていたような気がする。集中力が大事だった。
もちろん、地方に出かけることもあった。でも、駅に着いたらタクシーに乗り、効率的に移動した。
地図をみることもなく、東西南北を意識することもなく、目的を達成したら都会に戻った。

今の会社もスタートはコワーキングスペースだった。ただし、京都の低層ビルの4階だった。
京都の街は、空が広く、山に囲まれ、伝統が息づいている。そんな場に憧れてやってきた。
とわいえ、コワーキングスペースでは、あまり大都会の窓のない部屋とは変わらなかった。
そこで、祇園祭を最高の場所で見られるというコワーキングスペースに本社を移した。

ビルからの眺めはとても素晴らしかった。祇園祭を眼下に見下ろせる貴重な場所だ。
でも、残念ながら祇園祭は限られた日にしか行われない。結局京都を意識できる日が限られていた。
ある日、京都の街、岡崎の辺りをバイクで走っていた時、ふとテナント募集の看板が目に入った。
とてもおしゃれなこぶりな古民家だ。一目でその古民家に吸い込まれた。すぐに電話して聞いた。

オフィスが入居してもよいですか?答えはyesだった。内装は自由に変えていいとも言ってくれた。
賃料も無理のない範囲だ。すぐに意思決定をして、今のオフィスが決まったタイミングだ。
場所は平安神宮の参道。オフィスをでると右手に大きな鳥居が見守ってくれている。
内装は古民家再生の棟梁の助けを得てDIYに励んだ。神秘的で安らぐ最高なオフィスになったと思う。