資本、労働、技術などの経済における資源配分の効率性の概念が競争原理だ。
個人や企業などの集団に必要とする資源が限定されていると、その資源獲得のために競争が行われる。その中で優位な者、生産性が高い者がその資源を獲得できるというものだ。
勝ち負けがはっきりしていて、成功者だけが地位や財産を得られるという社会だ。
確かに、企業間競争によって、商品の低価格化、サービスの充実、機能の改良などが行われる。
その結果、消費者は多様な商品の中から自らが欲しいと思う商品を自由に選択することができる。
人間社会はこうしたメカニズムによって、大きな発展を遂げてきた。進化を続けてきたと思う。
ただ、成功するためには高度な組織力が求められることも多く、一握りの大企業が主役となった。
特に飲食業界などは典型的だ。フランチャイズという圧倒的なオペレーションが社会を席巻した。
消費者は良品廉価を享受することができた一方、個人商店にあった独自性は少しずつ消えていった。
街の商店街も同様だ。郊外のショッピングモールは消費者に圧倒的な魅力となり人気を博した。
その結果、商店街はシャッター街となり、街の賑わいはなくなり、ゴーストタウンへと進んでいる。
ここらで、原理を変える必要があると感じている。独自性を生かすことを第一議としたい。
ゼロイチではなく、独自性を生かす上で足りない機能を、その機能を持った人が補完する。
こんな感じが良いと思う。繁盛している街の中華屋はあったとしよう。店主は高齢だ。
既に一日中立って料理を作り続けることなどできない。では、どうしたらいいだろうか。
解は、フランチャイズの持つ機能を活用することだ。人材採用力やオペレーション力だ。
店主をリスペクトして、店の看板をそのままに、不足する機能だけを補完していく。
さらに、独自性を源泉である店主のアイディアは積極的に活用する。メニュー開発を任すのだ。
これは競争原理とは違う。共創で既存の価値を大きくする原理だ。ゼロが発生しない方法論だ。