ビッグデータという言葉が少し前に流行った。眠れるデータを活用しようという動きだ。
様々な現場には既に色々なデータがあり、それらを組み合わせれば価値が生み出せる。
もちろん、新たなデータをとってそれらも活用するのもありだ。データから気づきを引き出す。
とはいえ、闇雲にデータを組み合わせてもそう簡単には新たな価値は生まれてこなかった。
そもそもデータの作り方には二つの方法がある。ボトムアップとトップダウンだ。
トップダウンは、こういう分析をやるので、こうした定義のデータがこれだけ必要だ。
それらのデータを集めるのにはどうしたらよいかを考える。手間の掛からない方法を選択する。
どうしても入手が困難な場合は、別のデータで代替できるかを検討していく。そんな感じだ。
この方法であれば、質の高い分析が可能となる。AIなどで使うデータもこの方法で集める。
スマートビルやスマートシティの分析の多くも、トップダウンで集めるのではないだろうか。
但し、新たにデータを取るので、データが貯まり、活用できるまでにどうしても時間が掛かる。
可能な限り、これまで溜まっているデータも活用できると、素早く価値を生み出せるはずだ。
ボトムアップとはまさに、既存のデータを目的に合わせて活用しやすくする方法だ。
使いやすいように、定義を明確にして、簡単に検索しやすいようにインターフェースを整える。
そうすることで、様々な人が色々な目的で同じデータを使えるように整備しようというものだ。
位置情報など定義のはっきりした情報に紐づくデータなどは、比較的活用しやすい。
とはいえ、そのデータは信頼できるものか、無償では提供できないなど、様々な障害がある。
そうしたものを乗り越える仕組みを整えなければならない。これはなかなか大変だ。
トップダウンとボトムアップをうまく組み合わせるのが良い。あと完璧を求めすぎないことだ。
手触りを持って分析して、分析結果を丸呑みにしない。こんな姿勢で取り組むことが大事だ。